2018年6月9日土曜日

さざ波の別れ(古澤月心=作詞作曲)~琵琶と篠笛のコラボ演奏 2018年6月2日(土) セシオン杉並



琵琶演奏:古澤月心、篠笛演奏:前澤祐子
平家物語巻九「浜軍(はまいくさ)」を薩摩琵琶歌として作る。

時は、寿永3年舞台は、兵庫の福原・一ノ谷の合戦。東側の大手生田の森を守っていた大将軍平知盛は、大手攻めの源氏の大将、源範頼と互角の戦いを進めていました。しかし、源義経率いる源氏の搦め手(からめて)の軍勢が、鵯越(ひよどりごえ)の急坂を一気に駆け下り、西側の平家の陣の背後に回った奇襲攻撃により平家は総崩れになります。知盛も、もはやこれまでと、息子、武蔵野守知章(むさしののかみともあきら)と家来、監物太郎頼方、三騎で、南側の海を守っていた助け船に遁れんものと、渚の方へ退却します、途中で、後を追ってきた児玉党に追いつかれ、敵の大将が、知盛に組み付こうとするのを、父を討たせてはならじと、知章は、馬を寄せ、その中に割って入り、これを討ち取りますが、逆に別の敵に首をとられ、身代わりとなります。監物太郎も討ち死、この二人の若者の奮戦で知盛は、窮地を脱し、馬を泳がせ、兄、宗盛の船に辿り着くのです。そこで、知盛は、兄の前でさめざめと涙します。「いかなる親なれば、子の討たれるのを助けないで、遁れ来る者がいましょうか」と。同じ年の子を持つ宗盛も、涙ぐみながら、自分を苛む知盛を慰めるのでした。